今月の聖語・言葉を紹介します。
今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示
【今月の聖語】
さるべき業縁のもよほさば、いかなるふるまひもすべし
『歎異抄』
学校で残って勉強するが、結局友達としゃべってしまって本末転倒。体力増強と思い毎朝早起きしてランニングしようと決めたが、三日坊主。
何かをしようとおもっても、まわりの環境によって志(こころざし)半(なか)ばで全うできなかった経験をした人は多いのではないでしょうか。
今月の言葉の意味は、「因縁(いんねん)次第では、人間はどのような行いをもしてしまうということ」です。仏教ではものごとがおこる原因を因といい、間接的な原因を縁といいます。特に縁を強調するところに仏教の大きな特徴があります。
自分の意志が「因」だとすれば、状況・環境は「縁」。因のみならず縁をも視野に入れて考え行動することが大切です。「縁次第で何をしでかすか分からない」という人間の弱さ。そして、「縁次第で何でもできてしまう」という無限の可能性。今月は宗祖降誕会です。親鸞聖人の言葉を通して、その奥深い人間観を聞かせて頂きましょう。
【今月の言葉】
今を生きずに いつを生きる ここを生きずに どこを生きる
大神 信章
「ちょっと待って」
ある日、筆者が子供と話をしている時、携帯電話に連絡が入ったので、返答しようとしました。スマホを操作する姿を見て、子供は不機嫌な様子でこう言いました。
「またさわってる!」
はっと気付かされました。今自分は子供と話をしていると思っていましたが、実は心ここにあらずの状態でした。申し訳ないと思い、携帯電話をとっさにしまいましたが、子供はそのことをすでに見抜いている様子でした。「もっと今ここにいる自分をみて」と、言われているように感じました。
スマートフォンなどのICT端末で、時間や場所を問わず、手軽にコミュニケーションができるようになりました。しかし大切なのは、家族・友人・仲間・先生等と、「今・ここ」で過ごすかけがえのない時間です。にもかかわらず、すぐにそのことを忘れてしまいがちです。
今月の言葉は私たちに問いかけながら、今という時間の大切さを教えてくれているように思われます。