今月の聖語・言葉を紹介します。
今月の聖語 ・・・ 正門聖語板
今月の言葉 ・・・ 教室掲示今月の聖語
【今月の聖語】
生まれたことはありがたく、生きることもありがたい。
『ダンマパダ』
『ダンマパダ』とは、釈尊の教えを集めたもので、人間そのものへの深い反省や生活の指針を短い句によって示したものです。
父・母・祖父・祖母・・・・・。たくさんの人の繋がりがあって、私たちはこの世に誕生しました。いのちの繋がりは果てしない程広がりますが、その中で一人でも欠けていたら今の私はいないことになります。まさに「有り難い」ということであり、奇跡と言っても過言ではないでしょう。また、生きるということについても、多くの人の支えや励ましがあり、衣食住に関しては多くのいのちをいただいて生きています。
いつもはあることが当たり前、すなわち「有り易い」と錯覚してしまいがちですが、本当は「有り難い」ことだと教えて頂くのが今月の聖語。感謝の気持ちをもって、身近な人やものに目を向けてみてはいかがでしょうか。
今月はお盆でもあります。過去のつながり、現在のつながり、そして未来のつながりを、今一度考える機会にしていきたいものです。
【今月の言葉】
ともすれば二度のお礼も欠くるなり 三度の箸は忘れざる身も
小野逸子
作者の小野さんはお念仏の教えを大切にされておられる広島の方です。本校でも朝の仏参を行っておりますが、本来は朝と夕に一度ずつ仏さまにお参りをします。それが「二度のお礼」です。「三度の箸」は朝昼晩の三食の食事のことを示します。
私たちは、食事を忘れることはまずありませんが、仏さまへのお礼を忘れてしまうことがあります。自分の煩悩を優先することはあっても、仏さまを大切にすることを疎(おろそ)かにしてしまいがちな私たちの姿をうまく言い当てた言葉といえるでしょう。
もちろん人間は食べないと死んでしまいます。だからといって食べていても死にます。極端な例かもしれませんが、老・病・死をはじめ人生における思い通りにならない「苦」を前にして、ふと生きることに不安を覚える時があるかもしれません。でも、仏さまはいつもそばにおられ、苦悩する私たちのよりどころとなって頂き、お浄土にお導きくださいます。
朝の仏参の「一度のお礼」を大切にして、仏さまの教えに耳を傾けて参りましょう。