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2024(令和6)年8月 今月の聖語・言葉について 2024年08月01日(木)10時00分

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今月の聖語・・・正門聖語板
今月の言葉・・・教室掲示

【今月の聖語】
和顔愛語
『仏説無量寿経』
 
 今月の聖語はおだやかな顔で、やさしい言葉をもって人に接しましょうという意味です。仏さまがどのような時でも、和(やわ)らいだお顔で、誰に対しても愛(いと)おしむ言葉でもって接していかれたことからこの言葉が示されました。
 仏教ではお金や所有物がなくても人にプレゼントができると考えます。笑顔、気遣いの言葉もそのプレゼントの一つです。しかもそのプレゼントによって、相手も気持ちが「和」らぎ、同じプレゼントがかえってくるかもしれません。
 一日一回「ありがとう」(笑)と。和顔愛語のプレゼントを交わしていきたいものですね。

【今月の言葉】
耐え忍ぶこと、ことばのやさしいこと、
諸々(もろもろ)の道の人に会うこと、適当な時に理法(りほう)についての教えを聞くこと、これがこよなき幸せである。
                     『スッタニパータ』
 
 幸せって何でしょうか。仏教では精神的豊かさだと説かれています。具体的には根本的な煩悩である「怒り・貪り・無明」の克服です。ではどのようにして克服できるのでしょうか。
 まず、怒り。「なぜ私にそんなことを言うのか…」。心無い言葉に、怒りがこみ上げることがあります。怒りから離れるには、怒りをあらわにせず、ただ「耐え忍ぶこと」だと言います。その習慣によって、さらなる困難から心を平静に保つことができると言われています。
 次に、貪りの心。「あれもほしい。ああなりたい。こうしたい…」。そんな貪りの心から離れるヒントは、与えることにあります。ものを与えることだけではありません。挨拶や励ましなどの「ことばのやさしさ」をプレゼントすることも与えることです。
 何よりも問題なのは無明、すなわち教えを知らないこと。両親・先生・先輩・友人などの尊敬・信頼できる「人に会うこと」、仏教の「教え(理法)を聞くこと」を通して、精神的な豊かさを得ることができるのです。  
 これらの精神的な豊かさが、「こよなき幸せ」だと今月の言葉は教えてくれています。