私たちのちかい 一、自分の殻に閉じこもることなく
穏やかな顔と優しい言葉を大切にします
微笑(ほほえ)み語りかける仏さまのように
一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず
しなやかな心と振る舞いを心がけます
心安らかな仏さまのように
一、自分だけを大事にすることなく
人と喜びや悲しみを分かち合います
慈悲に満ちみちた仏さまのように
一、生かされていることに気づき
日々に精一杯つとめます
人びとの救いに尽くす仏さまのように
今夏の災害級の猛暑は人間だけでなく、植物にとっても同じことだろう。35℃を超える猛暑日が続き、焼け付くような異常な日照り続きに耐えきれず、葉焼けや弱った樹木を多く見かけた。異常気象の要因の一つに地球温暖化があると言われている。温暖化の原因はさまざまにあると思うが、その根本原因はやはり人間であろう。私たち人間がもとめてやまない利便性への追求が、今の事態を招いているのではないか。
『聞く地蔵と聞かぬ地蔵』という宇野浩二さんの童話は、止まることを知らない人間の欲望の姿を表現している。ある貧しい村を訪れた僧侶を村人は手厚くもてなした。そのお礼にと「聞く地蔵と聞かぬ地蔵」の一対の地蔵をもらい受けた。僧侶は「『聞かぬ地蔵』をたいせつにしなさい」と村人に告げた。しかし村人は願い事をかなえてくれる「聞く地蔵」に、豊作、病気治癒、立派な家屋などをお願いした。次々にかなえられ裕福な村になったが、満足できない。村人たちは他人と比べだし、「隣の家より大きい家」「村一番の金持ち」と、さらには他人の不幸を願い「向かいの家族は病気にしてくれ」となり、隣近所は仇同士の村になった。混乱する村に僧侶がふたたび訪れ、「聞かぬ地蔵」の意味に村人は気づいたという。
秋の気配に安堵すると忘れてしまいそうだが、気温が 40℃超えが当たり前となるような日本を想像すると恐ろしくなる。人間の 貪りのこころの恐ろしさを「聞かぬ地蔵」の意味から学んでいきたい。
「2024(令和 6)年 9 月 20 日(金曜日)本願寺新報『赤光白光』より」
10 月御命日法要
○ 日時 10 月 15 日(火)13 時 30 分~
○ 場所 礼拝堂
○ 勤行 正信念仏偈
○ 法話 三ケ本義唯 師(浄土真宗本願寺派布教使)
【別添】〝第 44 回千鳥ヶ淵全戦没者追悼法要〟宗門関係学校生徒作文
最優秀作文 龍谷大学付属平安中学 3 年 竹村紗南 さん(第 1 面掲載)
※ 2024(令和 6)年 10 月 1 日発行 第 3532 号「本願寺新報」に掲載されました