私たちのちかい 一、自分の殻に閉じこもることなく
穏やかな顔と優しい言葉を大切にします
微笑(ほほえ)み語りかける仏さまのように
一、むさぼり、いかり、おろかさに流されず
しなやかな心と振る舞いを心がけます
心安らかな仏さまのように
一、自分だけを大事にすることなく
人と喜びや悲しみを分かち合います
慈悲に満ちみちた仏さまのように
一、生かされていることに気づき
日々に精一杯つとめます
人びとの救いに尽くす仏さまのように
英国の随筆家、オリバー・バークマン氏が出した『限りある時間の使い方』という書物が、世界中で読まれているという。冒頭にある「80 歳くらいまで生きるとして、あなたの人生は、たった 4000 週間だ」のことばは、特にズシリと心に響く。ある人は「生き方を見つめ直すことば」といい、ある人は「あと何週間と思うと切迫感にかられる」という。例えば、これから 30 年先といえば遠く感じるが、1560 週といえば近く感じる。年齢にもよるが、1 日 1 日が早く過ぎていく。若い頃はゆっくり歩くように過ぎていった時間が、だんだん大股になり、そして早足、さらにかけ足で過ぎていく。どうしてもあせりが出てしまう。オリバー氏は「4000 週間」という限られた時間をどう過ごすかという、いわゆるタイムマネジメント術を語っているのではない。理想の未来を追い求め、生産性を高めようと時間を管理すればするほど、人は不安に陥ってしまうと警鐘を鳴らし、現実を直視し、「ちっぽけな自分を受け入れる」ことを勧めている。非常に重い意味を持つことばだと思う。これまで仏教に触れることが少なかったある方に月刊誌「大乗」の購読を勧めたことがあった。その方から先日、「『大乗』は、生きていく道しるべになる」ということばをいただいた。未来に不安を持ちながら、いつも時間に追い立てられて生きている我々が、本当に安心できるものは何か。その安心を阿弥陀如来からいただくのが浄土真宗である。
「2024(令和 6)年 11 月 1 日(金曜日)本願寺新報『赤光白光』より」
11 月 御命日法要
○ 日時 11 月 19 日(火)16 時 00 分~
○ 場所 礼拝堂
○ 勤行 正信念仏偈
○ 法話 津守秀憲 師(浄土真宗本願寺派布教使)