本日は今年度最後の仏参で、中学部部長の森本先生がお話されました。学校生活の中で、難しいことやしんどいことがあると、生徒たちは「絶対無理です」とか「できるわけないです」とよく口にします。森本先生は授業中に「諦めたらそこで試合終了、やればできる」と受け答えをよくしているそうです。「やればできる」という言葉は、やれば成長できるということを意味します。
続いて、森本先生はある1人の生徒(卒業生)を紹介されました。その生徒は森本先生が顧問を務めるハンドボール部の部員で、彼には左腕がなかったのですが、「ハンドボール部に入りたい」という希望があって入部しました。ハンドボールは危険なスポーツで、バスケやサッカーとは違い、基本的に攻撃してくる相手に掴むことが許されています。そのような点からも、森本先生は「ハンドボールは無理だろう」と思っていました。しかし、彼は片手でボールをキャッチして投げるなど、器用にやってのけたそうです。左腕のない状態で頑張っている彼を見て、他の部員たちは「無理」とか「できるわけない」といったネガティブな言葉を言わなくなり、彼がうまくボールを取れるようなパスをして、パスの精度も上がっていきました。3年最後の公式戦で、左腕がない彼が見事に2点を取って、特別に優秀選手の1人として選ばれました。大学に進学後も、引き続いてハンドボールを続けたという内容でした。
森本先生が彼から教わったのは、彼の「左腕がないからこそ、ハンドボールを選んだ」という彼の言葉でした。そして、森本先生は講堂で聞いている生徒たちに、「限界って一体誰が決めますか?」と問いかけられました。自分が無理だと諦めたときが限界ではなく、本当の限界は自分が思っているもっと先にある。できないと思い込んでいるだけで、できることがたくさんあるということです。
まもなく今年度を終えますが、今後の学校生活においても、自分で限界を決めずに何事にも挑戦していってほしいものです。