今朝は5月最初の講堂仏参でした。
仏参講話は中学部教頭の宮田先生でした。4月から学校にいる時間は、今日まで24日。1日10時間学校にいると240時間になり、秒になおすと864000秒になる。与えられた時間は平等であり、無駄な時間は1秒だってないし、今という時間を大切にしてほしいと、最初に示されました。
後半では、宮田先生のお母さんのお話をされました。、お母さんから「見ているところできちんとするのは当たり前でしょ。誰も見ていないところでこそきちんとできる人になってほしいと思っているよ」と、よく言われたそうです。親や先生が見ている時は真面目にやっていても、見ていない時はどうかと、生徒たちに問われました。そして、「トイレの使い方」を一例に挙げらました。
トイレは個室で誰にも見られることなく、自分だけの空間です。考えようによっては、何をしていても、誰にも言われません。そういう場だからこそ、使い方やトイレ内を綺麗にしておくことが大切です。そして、トイレを出るときに「次利用する人にどう思われるかな」と思うような、後ろめたさが残る使い方は人間性を問われるから絶対しないことを母から言われました。
宮田先生は、見えないところでもきちんとやる人は素敵だとおっしゃいました。そして、宮田先生が20年前に受けられた平安の教員採用試験の時のエピソードを挙げられ、お母さんからの忠告を実感することになりました。宮田先生は筆記や実技のテストなど勉強され、見事に合格されました。とても寒い時期だったそうですが、宮田先生は「あれだけ自分が勉強して、準備してきたから受かったんだ」と思っておられました。後になって、校長先生が建物の陰から正門をくぐるところを見ていたことを知ります。校長先生は宮田先生に「たくさんの人が採用試験を受けに来たが、その中で先生だけが校門でコートを抜いて、身なりを整えてすっと頭を下げて入ってきた。この先生、うちに来てほしいなと思った」とおっしゃったそうです。お母さんがいつも言ってくれていたことが合格の決め手だったのです。
今日のお話を通して、生徒たちが「人が見ていなくてもやるべきことをきちんとやる」ということを思い実践してくれたらと思います。