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12/16 講堂仏参 2024年12月16日(月)10時44分

 今年も本願寺からご講師が出向され、今朝の仏参は本願寺派布教使の平尾あゆみ先生でした。そして、阿弥陀如来さまのお心をお話されました。阿弥陀さまは大いなるお慈悲の仏さまで、私たち一人ひとりの幸せをご自身の幸せと、私たちの悲しみや苦しみをご自身の悲しみと苦しみと受け取ってくださるお方です。

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 平尾先生は、小児科医の駒沢勝先生の本を読まれ、駒沢先生の「人が人の悲しみに寄り添う姿勢には、二つの視点がある」という言葉を紹介されました。寄り添うという姿勢には、「対治」と「同治」あるそうです。「対治」とは、目の前で悲しんでいる人がいたら、「元気出して、明日にはいいことがあるさ」と励ましながら寄り添うことです。「同治」とは、目の前で悲しんでいる人がいたら、同じように涙をながしながら「辛いね、悲しいね」と同じ時間を過ごすという寄り添い方です。平尾先生はその本を読まれて、「阿弥陀さまのお心に重なるものがあるなぁ」と感じられました。

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続いて、ドラえもんで「パパも甘えんぼ」というお話を紹介されました。深夜に酔っ払って帰ってきたお父さんが、そのまま玄関で寝そうになり、お母さんが「子供たちが見ているからしっかりしてください」と言いながら起こそうとします。すると、お父さんは 「何を偉そうに、僕はこの家の大黒柱だぞ」とお母さんの手を払いのけ、お母さんは怒って部屋に戻ってしまいます。それを見かねて、のび太君もお父さんを起こそうとするのですが、「何を!子供のくせに偉そうに、親に向かってなんだ!」と怒られてしまいました。のび太君はお父さんの亡くなったお母さん、つまりおばあちゃんに怒ってもらおうと考え、ドラえもんと協力してお父さんをタイムマシンに乗せて、過去の世界に向かいました。のび太君はおばあちゃんから叱ってもらおうと、事の経緯をおばあちゃんに話しました。それを聞いたおばあちゃんは叱ることはなく、「のび助や、のび助や、起きなさい」と揺すり起します。お父さんはハッと目を覚まし、びっくりした表情をしました。そして、「おかあさ~ん」と胸に飛び込み、「いじわるな部長が僕をいじめるんだ、こんなに頑張っているのに!」と泣きながらに言います。おばあちゃんは「そうか、そうか、よしよし」と、お父さんの頭をただただ撫でていました。
それを見ていたドラえもんが、のび太君に 「大人ってかわいそうだね」 と言いました。のび太君が「なんで?」と聞くと、ドラえもんは「だって、大人って自分より大きなものがないんだもの。寄りかかって甘え、叱ってくれるものがないんだもの」と言って、この話は終わります。平尾先生は、聞いている生徒たちに「大人といわれる歳に近づいていけば近づいていくだけ、自分ひとりで悲しみ苦しみを背負っていかねばならない場面が出てくると思います。でも、そんな私たちをほっとけないってお立ち上がりくださった阿弥陀さまがご一緒してくださっている」ことを伝えられました。