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ネイチャー部 宇治川ツバメ塒(ねぐら)入り観察会をおこないました 2022年08月29日(月)10時11分

昨日28日の日曜日の夕方から、宇治川河川敷でツバメの塒(ねぐら)入りの観察会をおこないました。
コロナによる行動制限のため、クラブとしては本当に久しぶりの野外観察会になります。

ツバメは初夏にかけて、人家の軒下などに巣がけをし、夏の終わりには東南アジア方面へ(遠い場合はオーストラリアにも!)渡りをする習性があります。
巣を離れたツバメたちは、河川敷のヨシ原に集まって夜を過ごし、日中は渡りの体力をつけるために盛んに餌となる昆虫を食べに飛び回ります。
日没ごろになると、あちこちから多くのツバメたちが集まり、順にヨシ原に飛び込んでいく姿が見られます。これが「ツバメの塒(ねぐら)入り」です。

京阪の観月橋駅に夕方6時前に集合し、そこから観察地点の堤防まで20分ほど歩き、ツバメの来るのを待ち構えました。

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本来はツバメが最も多く見られるのは7月下旬から8月上旬がピークのため、どれぐらい見ることができるのか心配でしたが、日没とともにツバメが少しずつ舞い始めました。
当日は非常に天気も良く、観察には絶好の条件でしたが、風が強く、少し肌寒く感じるぐらいでした。
ツバメたちも、通常は一度河川敷の上空を群れて飛び回るのですが、風を避けるためかその行動は見られず、堤の上を低く飛んで直接ヨシ原に飛び込んでいきました。
生徒たちは、自分の真横をツバメたちが次々に横切っていく様子に驚き、歓声を上げていました。
ツバメたちが塒に入り終わる頃には、コウモリがあちこちで飛びはじめ、その姿を見ながら帰路につきました。
7時半には観月橋の駅に戻り、その場で解散となりましたが、今年度初めての自然観察会として大成功で終えることができました。

今回の観察会の内容は、9日・10日の文化祭で、ネイチャー部の展示の一部として発表する予定です。

ネイチャー部 高校クラブ体験と中学オープンキャンパスの御礼 2022年07月12日(火)17時10分

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7月9日土曜日の高校クラブ体験では,中学生と保護者の方が来校され,ネイチャー部の生徒たちが,飼育している生物や部の活動について丁寧に説明していました。

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また,ハプニングとして,翌日の中学オープンキャンパスで予定していた葉脈標本づくりのテスト作業を部員たちが進めていたところ,「やってみたい!」という生徒さんの希望に急遽対応する,という場面もありました。

10日の中学オープンキャンパスでは,教員主導の「楽しい理科実験」で,部員たちがスタッフとして小学生の対応に大活躍してくれました。

二日間の学校イベントに参加していただいた皆様,ありがとうございました。この場をお借りして御礼申し上げます。

ネイチャー部 久々の校外活動です 2022年05月30日(月)10時22分

 近年のコロナ禍による行動制限も緩和され、ネイチャー部の活動も校内での生物飼育や観察に限られていましたが、本当に久しぶりに校外での活動を再開することができました。

 今回はその第一弾として、これまで10年来の行き来のある、高槻市の生命誌研究館での見学と研修を行いました。
 今回の参加生徒は中高合わせて8名,館内入り口で検温した後,館内の見学に移りました。

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 館内の展示物をざっと説明し、見学の際の注意事項を伝えた後、生徒たちは関心をもったコーナーで、熱心に生き物を観察したり、展示の説明を読んだりと、思い思いに時間を過ごしていました。

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中でも、生徒たちはやはり実際の生きものへの関心が強く、肺魚やナナフシ(昆虫)などのようすに熱心に見入っていました。

 今年度初めての校外での活動は無事終了しました。また,状況を見ながら,徐々に活動を広げていきたいと考えています。

ネイチャー部 ヒイラギの葉脈標本 2021年02月06日(土)14時35分

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 今年は暦の関係で124年ぶりに節分が2月2日になりました。
 節分と言えば,「鬼は外,福は内」の豆まきや,ヒイラギの枝に焼いたイワシの頭を刺して玄関先に飾る「柊鰯(ひいらぎいわし)」の風習があります。

 ネイチャー部としては,そのヒイラギをそのまま捨てるのはもったいない!と実験と観察の材料として取っておきました。
 というのは,ヒイラギの葉は葉脈標本の材料として有名で,この機会を逃さずにさっそく標本化してみることにしました。

 10%の水酸化ナトリウム水溶液で10分ほど葉を煮た後,水で充分に洗い,薬品で柔らかくなった葉肉を丁寧に歯ブラシで取り除きます。
 で,上の写真のようになりました。

 予想通り,細かい脈まできれいに残ってくれました。
 クラブでは,部員たちと相談して,ラミネーターで栞にしたり,レジン樹脂に封入したりと,このあとがまたいろいろ楽しみです。

ネイチャー部 アカハライモリの赤ちゃんが生まれました 2020年12月21日(月)09時56分

ネイチャー部では,現在メダカ,グッピー,金魚,アフリカツメガエル,プラナリアなどを飼育していますが,その中の一つ,アカハライモリが産んでいた卵から,先週の19日の土曜日に赤ちゃん(幼生)がふ化しました。

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何にしても新しい命が生まれたのは喜ばしい限りですが,ひとつ問題が…。
アカハライモリの幼生は,ふ化後一週間ほどはお腹に残っている卵黄で餌なしで生きていけるのですが,その後は人の手で毎日餌をあげなければなりません。
厄介なのは,幼生のころは生きたプランクトンしか食べないため,前日にその用意をして,翌日にそのプランクトンをスポイトで与えることになります。

つまり,年末年始に毎日餌の用意と給餌に来なければならない,ということです。

生きものたちには年末年始はありませんので,生きものを飼うということは,こういう責任も伴うという勉強になってくれればと思います。
(もう一つ育っている卵もあるので年明けには2匹になるかもしれません)

ネイチャー部 炭焼き体験と自然観察会をおこないました 2020年11月24日(火)10時58分

 22日の日曜日に,龍谷大学の瀬田演習林の隣地で,炭焼き体験と自然観察会をおこないました。コロナ禍のため,今年度初めての活動になります。
 JR瀬田駅に集合後,バスで龍大の瀬田キャンパスまで移動し,演習林を抜ける道を目的地まで歩きました。当日は晴天に恵まれ,木漏れ日のさす中で,周囲の植物を観察しながら,ドングリを拾ったり,色づいた紅葉をながめながらの行程になりました。

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 炭焼きは,演習林隣地の民家の方のご好意で,畑地に設営した簡易炭焼き窯を使っておこないました。
 炭焼きではいつもお世話になっている京都女子大学名誉教授の高桑先生から,窯の仕組みと炭焼きの手順について説明を受け,いよいよ作業が始まります。
 今回は龍大の演習林を間伐したコナラを材料として,窯の中を掃除してからコナラの薪を窯にぎっしり詰め込みます。
 材料の詰め込みが終わると,窯の蓋の上から水で練った土をかけて密閉します。その上に濡らした新聞紙とアルミホイルで包んでおいたサツマイモを並べて,さらに土をかぶせます。こうしておくと,炭焼き窯の遠赤外線で,中までホクホクの焼き芋ができあがります。
 次はいよいよ窯の火入れです。高桑先生の指導を受けながら,生徒たちは煙に苦戦しながら必死に火を焚きつけていました。
 白い煙が出ている間は,炭になる木材から水蒸気が出ているので,しばらくは煙突から出る煙の色を見ながら火をくべ続けます。

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 だんだん煙の色が青っぽくなり,やがて煙が透明になると,煙突と焚き口を密閉します。この後は窯の中で材が蒸し焼きになり,炭化して炭に変化していきます。密閉した後は,3~4時間程度,窯が冷えるのを待ちます。
ちょうどお昼ご飯の時間になったので,窯の上で焼きあがったサツマイモを取り出しました。芯まで熱が通って半透明になった焼き芋をみんなで美味しく頂きました。

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 窯が冷えるまでの時間を利用し,瀬田の演習林を散策し,自然観察をおこないました。
 演習林の入り口では見事な紅葉が広がり,生徒たちはおのおの写真を撮ったり,紅葉の絨毯を踏みしめたりしていました。
 散策の途中で冬イチゴがなっているのを見つけ,観察会が一転してイチゴ狩りに変わりました(笑)。道沿いを探しながら,イチゴが見つかるたびに歓声が上がっていました。
 また,窯の場所まで戻ると,高桑先生から稲刈り後の稲から,新たに稲穂が実っているのを教えていただきました。この時期の暖かさのせいで,非常に珍しいとのことでした。

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 窯が冷えてきたので,窯の中からまだ熱い出来立ての炭を,注意しながら次々と炭を取り出しました。高桑先生曰く,今回はとても上手に良い炭ができたようで「こんなことは珍しいよ」と仰っていました。

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 最後に,片付けをして,できた炭を皆で分けて持ち帰りました。
 炭は脱臭剤や水の浄化剤になり,災害時には燃料にもなります。

 この時期にしてはとても暖かい中での炭焼きになりました。
 今回は,炭焼き体験もあり,自然観察もあり,焼き芋もあり,紅葉もあり,イチゴ狩りもあり,と盛り沢山の行事になりました。
 参加した部員たちも楽しんでくれたようで,本当に有意義な一日になりました。

ネイチャー部 プロジェクトの第1歩です 2020年11月16日(月)10時24分

 前回のブログでアップしましたが,高槻の生命誌研究館の橋本研究室(大阪大学大学院)とネイチャー部で,プラナリアを用いた実験プロジェクトを開始する予定です。
 10月31日と11月2日は,ネイチャー部の部員が生命誌研究館を訪れ,研修を受けましたが,今回は橋本先生(大阪大学招聘教授)が来校され,現在の研究とこれからの実験の内容について講演していただきました。

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 約2時間,ご自身の研究の内容をパワーポイントで説明され,今わかっていること,わかっていないこと,実験で明らかにしていきたいことなどを熱心にお話しされました。
 参加した部員たちは,内容の難しさと先生の熱意にやや圧倒されていましたが,「学会に出せる論文が書けるよ」「共同研究者と思っているので一緒にやりましょう」などの先生の言葉に刺激されていたようです。

 今後はまずプラナリアの繁殖と,初歩的な実験から開始し,その後は遺伝子操作などの段階へ進めていく予定です。

ネイチャー部 新規プロジェクト開始の予定です 2020年11月05日(木)13時41分

 現在,高槻の生命誌研究館の橋本研究室(大阪大学大学院)とネイチャー部で,現在飼育中のプラナリアを用いた実験プロジェクトを開始する方向で打ち合わせを行っています。
 これに伴い,先週の10月31日と11月2日の二日間,橋本研究室で,今後予定される実験の内容について,研修を受けに行ってきました。

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 31日は高校1年生の部員が2名,2日は高校3年生の部員が3名が,実験の材料となるプラナリアの飼育や,切断による繁殖のさせ方,今後の実験の内容について説明を受け,見学と実際の作業の体験をおこないました。

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 普段は入ることのできない大学の研究室の雰囲気や,実際の研究の内容に触れることができ,生徒たちにとって大変貴重な経験になりました。

 今後は主に校内で実験を進めることになりますが,ただ言われた通りのことをやるのではなく,実験の内容を理解して,さらにそれについて疑問を持ち,討論を重ねていく過程が非常に大切になります。
 これからの展開が非常に楽しみです。
 

ネイチャー部 生命誌研究館へ見学研修に行ってきました 2020年10月10日(土)17時28分

 今年度はコロナ禍のため,学校の様々な活動を自粛せざるを得ない場合が多く,ネイチャー部についても,これまで校外での活動を控えてきました。
 ただ,後期に入り,少しずつクラブ活動への制限も緩和されたため,本日,高槻市にある生命誌研究館での見学と研修を行いました。

 今回の参加生徒は中高合わせて9名でしたが,もちろん生命誌研究館とも感染対策を十分に打ち合わせをした上での開催です。
 まず,館内に入った時点で検温し,カンファレンスルーム(小ホール)で生命誌研究館の紹介ビデオを鑑賞した後,館内の見学に移りました。

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 これまではガイドの方から,館内の展示内容について丁寧な説明を受けていたのですが,今回は感染予防のため,一人ずつ専用のスマホを配布され,それぞれの展示や飼育生物のコーナーで,スマホから説明が流れる,という形になりました。

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 少し残念だったのは,これも感染予防のため,「触れる」体験のコーナーは,多くがカバーをかけられて直接触れなくなっており,また,各展示ブースでも人数制限がかかっていて,以前のような自由さは抑えられていました。

 それでも生徒たちは,それぞれが関心をもったコーナーで,熱心に生き物を観察したり,スマホから流れる解説に耳を傾けていました。

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 今年度初めての校外での活動は無事終了しました。また,状況を見ながら,徐々に活動を広げていきたいと考えています。

ネイチャー部 プラナリアの再生実験を始めました 2020年09月01日(火)09時41分

先のブログでプラナリアの飼育開始をアップしましたが,その後順調に増え続け,総数が60匹を超えるまでになりました。

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そこで,関係の書籍やネットの情報を参考に,プラナリアの再生実験を行うことにしました。
プラナリアは「扁形動物」に分類され,再生力が非常に強い生物として知られています。からだを数個に切断されても,それぞれの切片から一匹ずつに再生することができます。
メカニズムとしては,切断面の細胞がいったん未分化な状態に戻り,そこから頭やからだが再生するのですが,この仕組みは京都大学の山中伸弥先生で知られるiPS細胞と共通する部分もあり,注目されている生物でもあります。

今回は初めての実験として,部員の希望者5名が,プラナリア1匹ずつを切断しました。
ただ切断したのでは自身の消化液でからだが分解してしまうので,一週間前から絶食させ,切断時には凍らせた氷の上にろ紙を敷き,冷たさで活動を鈍らせたところを切断しました。

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一応は切断が成功したようですので,今後それぞれの切片からどのように再生していくかを毎日観察していくことになります。
結果が非常に楽しみです。