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ネイチャー部 炭焼き体験と自然観察会をおこないました 2020年11月24日(火)10時58分

 22日の日曜日に,龍谷大学の瀬田演習林の隣地で,炭焼き体験と自然観察会をおこないました。コロナ禍のため,今年度初めての活動になります。
 JR瀬田駅に集合後,バスで龍大の瀬田キャンパスまで移動し,演習林を抜ける道を目的地まで歩きました。当日は晴天に恵まれ,木漏れ日のさす中で,周囲の植物を観察しながら,ドングリを拾ったり,色づいた紅葉をながめながらの行程になりました。

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 炭焼きは,演習林隣地の民家の方のご好意で,畑地に設営した簡易炭焼き窯を使っておこないました。
 炭焼きではいつもお世話になっている京都女子大学名誉教授の高桑先生から,窯の仕組みと炭焼きの手順について説明を受け,いよいよ作業が始まります。
 今回は龍大の演習林を間伐したコナラを材料として,窯の中を掃除してからコナラの薪を窯にぎっしり詰め込みます。
 材料の詰め込みが終わると,窯の蓋の上から水で練った土をかけて密閉します。その上に濡らした新聞紙とアルミホイルで包んでおいたサツマイモを並べて,さらに土をかぶせます。こうしておくと,炭焼き窯の遠赤外線で,中までホクホクの焼き芋ができあがります。
 次はいよいよ窯の火入れです。高桑先生の指導を受けながら,生徒たちは煙に苦戦しながら必死に火を焚きつけていました。
 白い煙が出ている間は,炭になる木材から水蒸気が出ているので,しばらくは煙突から出る煙の色を見ながら火をくべ続けます。

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 だんだん煙の色が青っぽくなり,やがて煙が透明になると,煙突と焚き口を密閉します。この後は窯の中で材が蒸し焼きになり,炭化して炭に変化していきます。密閉した後は,3~4時間程度,窯が冷えるのを待ちます。
ちょうどお昼ご飯の時間になったので,窯の上で焼きあがったサツマイモを取り出しました。芯まで熱が通って半透明になった焼き芋をみんなで美味しく頂きました。

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 窯が冷えるまでの時間を利用し,瀬田の演習林を散策し,自然観察をおこないました。
 演習林の入り口では見事な紅葉が広がり,生徒たちはおのおの写真を撮ったり,紅葉の絨毯を踏みしめたりしていました。
 散策の途中で冬イチゴがなっているのを見つけ,観察会が一転してイチゴ狩りに変わりました(笑)。道沿いを探しながら,イチゴが見つかるたびに歓声が上がっていました。
 また,窯の場所まで戻ると,高桑先生から稲刈り後の稲から,新たに稲穂が実っているのを教えていただきました。この時期の暖かさのせいで,非常に珍しいとのことでした。

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 窯が冷えてきたので,窯の中からまだ熱い出来立ての炭を,注意しながら次々と炭を取り出しました。高桑先生曰く,今回はとても上手に良い炭ができたようで「こんなことは珍しいよ」と仰っていました。

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 最後に,片付けをして,できた炭を皆で分けて持ち帰りました。
 炭は脱臭剤や水の浄化剤になり,災害時には燃料にもなります。

 この時期にしてはとても暖かい中での炭焼きになりました。
 今回は,炭焼き体験もあり,自然観察もあり,焼き芋もあり,紅葉もあり,イチゴ狩りもあり,と盛り沢山の行事になりました。
 参加した部員たちも楽しんでくれたようで,本当に有意義な一日になりました。